こちらの青い芝は

こちらの青い芝は

Jリーグ(ガンバ大阪)とお酒の話など

伊丹市からパナソニックスタジアム吹田までチャリで行った話、あるいは記憶を失う雨中行軍

「スタジアムまでどうやって行くのか」

これもサッカー観戦がいい思い出になる一つの要素だと考えています。

もちろん試合自体の面白さなどに比べると些細な割合かもしれません。

しかし、スタジアムまでの道のりで難儀したりすると辛い記憶も刻まれるわけで、快適に、あるいは楽しく移動することを模索するのも重要だと思います。

(冬の雨天の万博ナイトゲームをスキー客みたいな重装備で観戦したことが一周回っていい思い出になることもありますが)

 

■普段使っているルート

観戦歴も万博時代を含め10年を越えて、ある程度鉄板となるスタジアムまでのルートは出来上がっています。それでもいまだに機を見ていろいろなルートを試しています。既存のルートは概ね問題ないもののやはり一長一短で、選択肢をいくつか持っておきたいからです。

 

筆者は伊丹市在住でJRと阪急の伊丹駅が起点になるので、よく利用するのは大別して下記2パターンがあります。ちなみにこれらの所要時間はさほど変わりません。

・JR伊丹~茨木ルート

  (茨木駅からはレンタサイクル・シャトルor路線バスなど混雑状況や気分で変えてます)

伊丹市バス~伊丹空港~モノレールで万博記念公園駅ルート

(ほかのルートもいくつかあるのですが、使用頻度的にここでは割愛)

 

■第三の選択肢を忘れていた ごめんよマイバイク

で、なんか他に行き方無いかなと考えていると、ある時「あ、おれクロスバイク持ってるやん」と気づきました。

高槻市在住のころは自宅から万博まで自転車で40分程度だったので、運動がてらちょくちょく自転車で通っていたのですが、伊丹市に引っ越してからその選択肢をすっかり忘れていました。

 

■メンテをさぼってズタボロのクロスバイクでスタジアムまで行けるか?

とはいえ、筆者は週末に数十kmツーリングするようなガチライダーではありません。もともと増加の一途を辿っていた体重に歯止めをかけたくクロスバイクを購入したのですが、結局ママチャリの行動範囲とさほど変わっていないと思います。1ヶ月乗らないとかもザラです。

また、購入時は結構な資金難でして「ハマれば乗り換え時にいいやつ買おう」ということで、あさひのPB「シェボートレッキング」というお手頃なモデルを買いました。

 

シェボー-H クロスバイク(参照:サイクルベースあさひネットショップ)

こちらは現行で唯一残っているっぽいシェボーですが、筆者が7年程前に購入したモデルはママチャリライクなフェンダーが付いてタイヤも太く、もうちょいモサいデザインです(なぜそれを選んだのか)。クロスバイクの若干ママチャリ寄りといった感じです。

 

伊丹に越してからはずっと屋外駐輪でメンテもさぼるという体たらくで、お世辞にもコンディションがいいとは言えません。それでも高校時代に毎日通学で山登りしていた自分の脚を信じて、自転車で伊丹市内の自宅からスタジアムまでの道のりを駆け抜けることを決意しました。

 

■とりあえずルートを調べてみよう

JR伊丹駅からスタジアムまでのルートはこんな感じです。徒歩用ルートですが、自転車でも大体同じ道を通ります。

(自宅~駅は自転車なら5分未満です。JPG画像なのでgoogleマップは開きません。)

JR伊丹駅からパナソニックスタジアム吹田までのルート(徒歩)

JR伊丹駅からパナソニックスタジアム吹田まで

「なんだ、片道12kmくらいか。ゆっくりこいで途中で休憩しても1時間くらいだろうし、いけそういけそう!しかも途中までは何度か車で通ったことがある道じゃないか」と、慢心たっぷりの感想を抱きました。

 

■一度行くと決めたからには

ちなみに実施日は3月30日の神戸戦です。試合内容を思い出そうとするとなぜか頭の中にモヤが掛かります。

当日はあいにくの雨天、しかも雨脚強め。ロードバイクなどでの行軍はためらわれる条件ですが、筆者のシェボーは前述の通りママチャリライクなので安定感は抜群。

「カッパ着れば大丈夫やろ。通学時に雨天で走るのに慣れてるし」と、10数年前の参考記録にも関わらず、なぜか妙に自信満々でした。

「この条件で時間を測っておけば最長の所要時間がわかるだろう」と、どう考えても他の日にすればいいのに、一度決めてしまったらあらゆる理由づけで突き進んでしまうバカ犬感。犬というか、筆者は丑年なので猛牛のように突き進んだとでも言っておけばなんかかっこいい気がします。

もちろんこの猛進がとてつもない後悔を生むことになります。

 

■いざパナスタへ!  (伊丹~豊中)

道中を写真に残して記事に貼り付けようと思っていたのですが、出掛けるころには随分雨が強くなっており断念しました。

伊丹・豊中界隈の方ならベタなルートになるかと思いますが、府道99号を通って伊丹空港の地下をくぐり、走井の交差点を越えて豊中市を横断するルートを通ります。豊中市内は自転車専用道もあって比較的安全で走りやすいルートだと思います。好天なら。

車で通ったときはあまり気にしていなかった緩やかな登りが結構疲れました。チェックポイントの桜塚の交差点(全体の1/3超くらい)を通過した時点で、早くも挫折しそうでした。

日ごろの運動不足に加えて、雨天でハンドルが握りづらい+ブレーキから結構な異音がする(ちゃんと効いていましたが)など、メンテ不足を実感するようなあれこれがボディブローのようにダメージを蓄積させていきます。

途中で蛍池を目指してモノレールに乗り換えようかという誘惑をなんとか振り払い行軍を続けます。

 

■無精が招いた地獄 (豊中~吹田)

桃山台あたり(全行程の半分くらい)の登り坂でチェーンが外れました。これは実際のところギアを変えるタイミングが悪かったからと思われます。メンテ不足というよりは走った経験が圧倒的に少ないことが招いたトラブルと言えるでしょう。しかし雨でズタボロになったメンタルでは「これはシェボーが日ごろのぞんざいな扱いに対する仕返しをしてきたんだ・・・」と理不尽な言いがかりのように考えてしまい、脳内では自転車に向かって土下座する自身の姿がありました。

もう少しいけば雨をしのげる場所でしたが、なぜかその場で雨に打たれながら直しました。いかん、判断力まで低下してきている。

 

■もう少しのはずだった (吹田市内)

無精ポイントその二。結構ざっくり「大きい道路沿いに走ってモノレールの線路まで突き当ればあとは余裕」と考えていました。途中コンビニで水を買った際にルートの確認をすればよかったのに、なぜかそれを怠りました。そして信号待ちなどでスマホで確認することもほとんどせずという慢心ぶりです(強い雨だったのもありますが)。

で、結果もちろん迷いました。どっかで曲がるところを間違えたみたいです。

 

■ただ迷うだけならマシだったかも?(続・吹田市内)

道間違えたかな?と気づいた初期段階では「わー、高そうな外車ばっかり停まってるエリアだなあ」とかピントの外れたのんきぶりを発揮していましたが、徐々に不安が増してきました。迷ってしまった精神的な落ち込みと最悪の天気によって、後半はずいぶんゲンナリしていたことを覚えています。そこまで落ち込むならスマホ開けよと。

そして迷い込んだ先がいかにも「丘を切り拓いて作りました」という感じの起伏の激しいエリアでして、ウロウロしているうちに手足に強烈な疲労感がやってきました。

キックオフに間に合うか急に不安になってきたところで、バスロータリーらしき開けた場所に出ました。ここでようやくスマホオープン。

そこからは素直にモノレールの線路に付きあたるまで直進して、あとは線路沿いを通ることにしました。後になってそのロータリーらしき場所を確認しましたが、なんでそこに出たのか正直よくわかりません。

 

■なんとか到着!長かった・・・

その後はスムーズに進んで無事スタジアムに到着しました。

実はスタジアムが見えてからも道の選択を誤り、大量の歩行者が通るルートに入ってしまいチンタラ自転車を押して歩きましたが、さきほどの山越え(丘越え?)に比べればほんのかすり傷です。

1時間ほどと思われたルートも、雨天の低速運転とチェーンのトラブル、道に迷ったなどなどの要因で、しっかり2時間以上掛かっていました。うーん、ひどい結果。

スタジアムの駐輪場に停めた瞬間、なんか膝が抜けそうになりました。肉体的にも精神的にもかなりダメージを負ってしまいました。とりあえず雨具を脱ぎ、観戦モードに。

「よし、この陰鬱な気持ちを晴らすくらいの好ゲームを見せてくれ!ガンバ大阪!!」

と気持ちを新たにして、濡れた段ボールみたいになった身を鼓舞して何とか歩みを進めました。

その後のことは何故かよく覚えていません。はて、試合どうなったんでしたっけ?

 

■行きもよくない、帰りも怖い

17:00キックオフでしたので、終了は19:00ごろ。さすがにあたりは暗くなっていることもあり、一つひとつ曲がる交差点名を事前に確認してから帰路につきました。途中でママチャリの親子に置いていかれるほどの鈍足行軍でしたが、さすがに迷わず帰ることができました。

ただ迷わずに行けたというだけで、雨も終始強かったですし、イマイチ記憶が定かでない試合結果が影響したのか、しんどい道のりでした。

終えてみた直後の感想は「二度とやるか」でした。自転車乗って腕まで筋肉痛になったのは初めての体験でした。

いろいろ書き連ねて思いましたが、一番の問題は25km程度で昇天しかける自分の心身のヘナチョコさでしょうけどね。

 

■ひとり反省会

せっかく半べそかきながら雨中の往復25kmを走破したので、何か残しておこうと思い記事にしてみました。

この辛い体験から時間も経って、今では「天気の良い日に再チャレンジしよう」という気持ちに変わってきています。なぜだ。

この心境の変化はインドへ旅行にいった時と似ているのですが、自分の変わり身の早いメンタルを今さら振り返るのも面倒なので思考放棄。

とりあえず今回得た教訓は、

・わざわざしんどいコンディションで無茶をしない

・事前にルートをちゃんと調べる、途中で確認する

・前後左右と東西南北を混同しない

・思いつきで裏道に入ろうとしない

あたりが挙げられるでしょうか。至極当たり前。料理下手が初見のレシピになぜかアレンジを加えて失敗する気持ちを、方向音痴という形で体験するとは思いませんでした。

 

あと個人的に大問題なのが、「お酒が飲めない」ことです。この日は体がガタガタでお酒が無くても大丈夫でしたが、サッカー観戦にお酒が欠かせない筆者にはなかなか辛い点です。あらかじめ自宅でビールをキンキンに冷やしておくなど、家に帰ったときの楽しみを考えておく必要があります。

 

■自転車でスタジアムにいくメリットをひねり出してみる

このままでは得たものがあまりに少なすぎるので、自転車ルートのメリットを無理やり挙げるとすれば、

・自由な移動スタイル モノレール駅の入場制限、バス待ちの行列などと無縁

・引きこもり気味の筆者にはちょうどいい運動量

・寄り道し放題 お気に入りの酒屋(吹田)や伊丹周辺にないスーパーで買い物できる

・きっと帰ってきた後のビールが最高にうまい!

このあたりでしょうか。お酒起点の要素ばかり浮かび一抹の不安を感じます。銭湯とかに寄るのが健全なスタイルな気がします。

 

■おまけ

今回の件を反省して、ちょっと自転車の手入れをしてみました。といっても帰宅後濡れを拭いて、後日チェーンにオイルを差したり、ブレーキちょっと調整したりといった程度ですが(もう二度と変なタイミングでトラブったりしませんようにと願掛けしつつ)。

 

で、無謀な行軍に付き合ってくれたシェボー御大は、今後ママチャリ的な使用に限定しようと思います。まだまだ乗れるので捨てるのはもったいなく、かといって購入から結構年数も経っておりガッツリ手を入れると費用もかさみそうなので。ええ、決して今回のトラブルの報復行為ではございません。

 

雨中行軍のトラウマも癒えてシェボー御大の老後の生活準備をしつつ、一方で次の愛車に思いを馳せていろいろと情報収集いたしました。結果的にある自転車を購入したのですが、なぜこの選択に着地したのか自分でも不思議な気持ちです。なんか途中からまた猛牛スイッチが入りました。

 

ダラダラ書き連ねる駄文スタイルで意味もなくヒキを作る気は無いのですが、もう5,000字越えてますのでその辺について書くのはまたの機会にします。

ちなみに次に購入したのはDahonの折り畳み自転車です。明後日納車になります。

「今度こそは」とダイエットに失敗し続ける残念な人の気分で待ちたいと思います。