喫煙歴10年を超える男が、突然禁煙できた話
Jリーグ開幕まで首を長くして待っていますが、まだ1カ月ほどあります。
首といえばデスクワークが原因なのか、長いこと首肩のコリに悩まされています。
仕事中に「凝ってきたなあ」と感じると、肩を回してみたりしています。
しかし、軽く姿勢を直してみるとかも含め、体を少し動かすだけってのはあまり改善に効果があると感じません。
そのほかにも肩こりから気をそらすためのアクションを試していたのですが、なかなか特効薬になるような方法は見つかりませんでした。
その中で、一番効果があったと感じるのは、意外なことに「タバコを吸う」でした。
自分の行動を振り返ってみると、猫背、息が浅い、集中すると視野が狭くなる、肩に力が入りがちとか、同じ姿勢でずっと作業しがち、などなど。
肩こりを引き起こしそうな特徴をいくつも挙げることができます。
長らく通ってる整体では、体の左右差を無くすっていうアプローチで施術を受けているので、この辺の行動のくせまで改善する決め手にはならなさそうです(整体師さんからいろいろ体の動かし方とかの提案はしてもらってますが)。
で、この辺の「肩こり行動」をいい具合にほぐす役目を果たしていたのが、自分にとっては喫煙だったというわけです。
息を深く吸いますし、小休止して力みもほぐれます。
「そうか、なるほど。それならばタバコを吸い続ける合理的な理由があるな!」
と、特にやめることも考えずタバコを吸い続けていました。
ちなみに、20代のころは「30歳過ぎたらやめよう」と思っていました。
その当時は肩こりとのひもづけはしておらず、大学時代に付き合いで吸い始めたのが習慣化して、それがずっと続いていたというパターンです。
30歳を超えて、「そろそろやめなきゃな、でも・・・」と考えた時にこういう無理やりな合理化を使い始めました。
余談ですが、肩こりパターン以外にも、変な合理化ロジックはたくさん持っています。
■クリスマスがきっかけで禁煙が始まる
で、だいぶ前置きが長くなりましたが、筆者は禁煙しました。
正確には、まだ時々吸いたくなりますし、ふとした時に誘惑に負けるかもしれませんので、禁煙に取り組んでいる最中としておきます(逃げ腰)。
去年のクリスマスくらいから始めたので、まだ1カ月弱ですね。
あ、クリスマスが起点だからって、別にネタになるエピソードとかはありません。
まあ「年間でもっともフワフワするこの時期に、メイン級の嗜好品をガマンできるとか、精神的なタフネス得られそうじゃない?」とかは考えた気もしますが。
仕事が立て込んでる時に、ちょうどIQOSの買い置きが尽きたので、「買いに行くのめんどくさいし、このまま禁煙してみるかー」と始めたのが、どういうわけか長く続いている、という話です。
普段なら忙しかろうと休憩がてらタバコ買いに行きますが、ちょっと精神的にやさぐれていて、クリスマス前後にスーパー・コンビニに行きたくなかったんですよね。なんか幸せオーラがまぶしく感じるようなテンションでした。仕事のせいかな。
■依存しているつもりはなくても喫煙沼にはまっていた
喫煙歴は通算で10数年ですが、これまでにもタバコを断ってた時期は幾度かあります。
一番長く吸ってなかったのはおそらく4カ月間くらいでしょうか(なぜその時にやめられなかったのか)。
ちょうど引っ越した先が新築の賃貸で、部屋をタバコ臭くしたくないなーという理由からでした。退居する時に壁紙代がうんぬんというのも面倒でしたし。
それが、仕事のストレスで精神的に落ち込んでいる時につい手を出してしまい、あえなく喫煙者に逆戻りしました。それが3年くらい前。
いやー、久しぶりに吸ったタバコでいい気分になったこと。結構重たい銘柄(ゴロワーズ)吸ったので、頭が少しくらくらしましたが、その血の巡りの悪さすら心地よかったですね。日本橋ヨヲコさんの漫画のセリフを借りれば「吐き気がするほどうまかった」ですね。いや、あれは酒でしたが。
話を戻します。
一度長く禁煙して、うっかり舞い戻ってしまったので、次に抜け出すのはなかなか難しいだろうと思っていました。
■なんで禁煙が続いているのか
で、なんで今また禁煙やろうと思ったのか。
というよりは、なんで続いているのかってことに注視した方がいいかもしれないです。
今回の場合はきっかけというほどのことはありませんでしたからね。
いろいろ考えてみましたが、今でも続いているのは、2~3日辞めてみて「お、結構いけるやん」という実感を得たのが大きいと思います。
と言いつつも。
それが大きい理由に違いはないのですが、これまでもノド痛めたり、風邪をひいたりしたときは2~3日どころか1週間くらい吸ってない時もありました。
なので、短期間断てた!という自信を得ることだけが、禁煙を継続できる理由でないようにも思います。
・タバコと酒なら、どちらをとるか
次の要因ですが、酒との比較です。
実はクリスマスに禁煙を始めたのと並行して、3日間くらい酒も飲んでませんでしたが、そっちは年末まで耐え切れませんでした。自分の生活から酒が無くなるなんてありえない。
禁煙と禁酒の同時スタートから数日経って、「酒やめるのは無理やー(プシュッ)」となったわけです(まあ酒断つ気は正直なところ全くなくて、ほどほどのペースにしたいだけでしたが)。
ただ、その時「ならばせめて禁煙は続けるかー」と、ふわっと決意したような記憶がぼんやりあります。うーん、飲みすぎてよく覚えてねえや。でも、多分、した。
・健康への投資<害悪へのコスト
最後に考えられるのが、先ほど出ました整体の通院費との兼ね合いです。
あんまり出歩かない自分が定期的に通う数少ない習慣でして、今は月1回身体のメンテナンスをしてもらっているような感じです。
その整体が保険外診療で、施術1回で4,000円ほどします。
自分にとっては必要な出費と考えていますが、安くはないですよね。
で、ちょうど年末に差し掛かって、お金の出入りを整理していると、自分がタバコに掛けてた費用はそれよりも多かった。1箱520円のIQOSを大体2日で吸い切ってましたから、月8,000円くらいのコストです。
少し話が変わりますが、もともと喫煙者ってタバコが体に悪いなんて重々承知してて、それでも百害あるなかで、わずかな一利かそれ未満くらいのメリットを、それぞれの形態で持ってるから吸い続けてるのだと思います。
自分の場合はその一利が、「深い息を出し入れするリラックス効果」という体のコンディションにひもづくものだったわけです。
で、それがある時「健康のための投資以上に、身体への害にお金払ってる」と気づいてしまいました。まあタバコが害なのは十分にわかってます。そんなことは10年以上承知してますが、自分がお金を掛けてる健康関連の趣味(のようなもの)よりも高いと理解したわけです。「さすがにそれならだらだら吸い続けるのは許容できないな」となりました。
ちょうどお金の使い道を見直してるタイミングと重なったのが大きかったですね。
そういう気付きや実感を伴ってくると、あるときフラッシュバック的に吸いたくなっても「いやいやそれならマインドフルネスやろうぜ!」とか明後日の方向に欲求を飛ばすことだってできるようになりました。在宅勤務って素敵。いや、違う、そういうことを言いたいのではなく。
■まとめのような余談
自分の場合、薄給だけど酒好き、整体に通うのが好き、それがなんかたまたまクリスマス忙しかった、といったなんでもない要素が突然有機的に動きだして、禁煙を始めることができました。
この記事書いてよくよく振り返ってみると、30歳過ぎてタバコ吸い続けてたきっかけも、禁煙を継続できている要因にも肩こりが関係していますね。肩こり君のマッチポンプみたいな話と言えるかもしれない。いや、言えないか。
同じような条件で禁煙に悩む方、となると結構限られると思いますが、やめるきっかけを探していたり、待っていたりするような層が見てくださっていれば、思い立った瞬間からとりあえず2~3日やめてみるといろいろ状況が動き出すかもしれませんよ、っていう話です。
やめたいけど、そんな短期間やめるのもキツいとかなら、無理せず禁煙外来とか利用した方がいいと思いますが。自分も、もし今回禁煙失敗したら受けてみようかなーと思います。筆者がひいきにしている整体と違って、条件を満たせば保険適用できるみたいですし。あ、いえ整体の施術には満足してますよ。
なんとなく自分の禁煙経験と関連させて「禁煙外来に行こうぜ!もしくはニコチンガム買おうぜ!」みたいな似非アフィリエイト記事みたいなのを書こうと思ったのに、長々とした自分語りになってしまいました。この記事を最後まで読んでくださる方は果たしているのか。
もしいたらその方には、深く深くお礼申し上げるとともに、一生肩こりに悩まされないとは言えないまでも、少し軽減できるようなソリューションに近々出会えるように祈念いたします。